2009年08月06日

イエハマドカラ
某北欧系HMがCMコピーにした「イエハマドカラ」
家づくりに携わるようになって疑問の1つが日本の「窓」です。
日本の窓って9割以上がアルミサッシか樹脂サッシではないかと思えるくらい、圧倒的なシェアです。
そして圧倒的に「引き戸」なんですよね。
この点はどのハウスメーカーでも、工務店でも大抵同じ部分です。
実に個性も無ければ窓の機能としても???です。
窓の機能はズバリ
外の景色が見えること
窓を開けることによって換気が出来ること
でしょう。

我が家やランタサルミログで標準採用されている窓です。
木製サッシでガラスはペアガラス、Low-Eガラスの4ミリ+4ミリで間に12ミリのアルゴンガス層です。
このスペックは九州ではまずお目にかかれない高断熱仕様です、そりゃまぁ-20-30度レベルの寒さに耐えられる仕様ですから、幾ら山間部は寒冷地といえど九州ではオーバースペックかもです。
ただ既製品なのでペアガラスの性能を落すなど特注した方が高くつく訳です。
ちなみにこの窓、築6年経過していますが、一度も結露したことありません。

フィンランド=ヨーロッパ文化なので窓の開閉は「内開き」です。
外開きの窓は「ケースメント」と呼ばれ、仲間に「滑り出しタイプ」などがあります。
内開き窓のメリットは
・掃除が楽(開けて拭くだけ)
・網戸が外付けなので開閉と干渉しない
・建具が雨に濡れない
などです。
内開きのデメリットは
・開けると邪魔になる事です。
・開けっ放しでは外出できない事(当然か)
外開き窓のメリットは
・開けると全開放出来邪魔にならない。
位で
デメリットは
・構造上外側のガラスは外からでないと拭けない、二階の窓など事実上掃除できない。特に大型窓。
・全開放するとドアノブが外に行くので閉めるのが大変
(だからマーヴィンなどは回転レバーで開閉するシステムだったりする)
・外へ開くので網戸は内側取り付けとなり、開閉の度に網戸も開閉が必要
ゆえに回転レパー式が多いが、窓を閉めても網戸にしがみ付いた虫を室内側でサンドイッチした格好になってしまう。
・木製建具で外開きは、雨等で建具を濡らして変形や劣化を招きやすい。
・やはり開けっ放しでは外出できない
などです。

で我が家やランタサルミで標準採用の窓は、木製内開きを更に進歩させた
ドレーキップ窓です
ドレーキップとは、内開き&内倒しの両方が出来る窓です。
内開きのメリットは享受してデメリットを消し
内倒し窓(ハング窓)のメリットを取り入れたダブルアクションの窓です。

ドレーキップで内倒し状態にした窓です。
内倒し状態では縦に開いているので邪魔になりません。
そして物理的にこれ以上倒れないので、このまま外出も出来ます。
故に我が家では夏場はずっと開けっ放しになっている事が多いです。
風も直接室内に入ってくる訳ではなく、一度ガラスにあたって上と横の隙間から入ってくるので風で室内のものがバタバタという事も少ないです。
更に深い軒と窓の下部は余り開いていないので
雨が降っていてもまず入ってこない
つまり雨が降っていても窓は開いている、という事が可能になります。
ただ湿気は入ってきますけどね。
実際、この窓は縦開きで使用することがほとんどで、余程の急速換気が必要な時と、掃除の際位しか横開きでは使用しません。

縦開きで開いた状態です。よく見ると上部が開いているのが分かると思います。
窓を開けていても、ガラスの反射で外から中は丸見えにならない、というメリットもございます。
そして防犯ですが
日本のサッシのようなロックが別に付いているシステムではなく、開閉システムとロックが一体化されていて複数ポイントでロックされる為「カギ一箇所を壊せば開けられる」というシステムではありません。
そしてデザインの為に格子を付けているのですが、これも防犯に一役買っています。
この窓を外から破ろうとすれば
網戸を破る
格子を壊す、又は外す
4ミリX2枚のガラスを破る
ここまでしないと室内に入る事ができません。
一般の窓は
窓センターのカギの部分近くのガラスを丸く切れば、容易に開けられ侵入できます。
防犯上も強い窓です、そして族の心理からしても「破り方の分からない窓からは侵入しない」ですね。
我が家で脆弱なのは風呂場の窓です、これは一般的な樹脂サッシの縦スベリ出窓です。
だからこの窓の近くに犬を繋いであります。
木製サッシの最大のメリットは、窓のフレームなどでも結露しません。
アルミサッシはフレームの結露が問題になり、解決の為に樹脂サッシも普及しつつありますが、いかんせんフレームの断熱性能が低いのでペアガラス等で熱欠損を抑えても、フレームそのものから熱欠損を起こしてしまいます。そもそもフレーム内部は中空ですからね。
そして木を削って組み立てているだけなのでライフサイクルにおける環境負荷はアルミサッシなどに比べて断然低いのです。
最近の日本の住宅のトレンドは高気密高断熱です。
これは北欧や北米で進化したツーバイフォー住宅の「断熱の考え方」です。これを日本の在来工法とミックスしている訳ですが、最大の落とし穴は
気密第一の高気密で、引き違い窓では気密化に限界がある
という事です。最近はサッシメーカーさんもある程度気密化できる引き戸を開発しているようですが、構造上無理があります。使っているウチにやがて性能は低下してしまうでしょう。
日本より寒いヨーロッパの国々ですが、窓は木製ってところは実に多いです、逆にアルミサッシだらけの日本の家みたいな建物は、海外ではほとんどお目にかかることはできません。
ちなみにCMの某HMが採用しているのは、チルトターンとかトップターンと呼ばれる水平方向で回転したり、窓の下部が外へせり出す方式の窓ですね。これはケースメントと同じく、網戸施工の問題と、開放したまま外出できないところはそのままです。
それとフレームに組み合わせるガラスについてです。
一部のメーカーではトリプルガラスで差別化を計っているようですが、-30度以下になる地域ならともかく、日本でトリプルガラスの断熱性能って完全にオーバースペックです。
というのも、フィンランドやスウェーデンでさえガラスのタイプは地域で使い分けて居るからです。
だから我々も追加予算を頂ければ
オールトリプルガラスの超高断熱ドレーキップ窓やチルトターン窓など様々なカスタマイズ仕様でお届けすることは容易に可能です。
但し、もし割れてしまった場合、国内で似たようなトリプルガラスを調達すると「とんでもなく高い」という事を肝に銘じておいて下さいね。ペアガラスとて日本のガラスはヨーロッパに比べて高いですから。
この木製DK窓、日本でも受注生産しているメーカーがあります。
価格はかなり高価です。
これらの窓はヨーロッパでは量産普及品なので、ログキットと一緒に輸入することで市販品より随分と安く入手することが出来ます。
我々のログハウスの価格が国産ログや他社ログに比べて高く見えるのは「よい建具」を標準採用しているからです。国産ログのようなアルミサッシを全採用すれば、我が家では100万円以上値段は安くなったでしょうね。
でもそれでは我々が作る家として、バランスが全く取れていない建物になってしまいます。
高性能なログハウスには、高性能な窓やドアなどの建具が必要です。
家づくりに携わるようになって疑問の1つが日本の「窓」です。
日本の窓って9割以上がアルミサッシか樹脂サッシではないかと思えるくらい、圧倒的なシェアです。
そして圧倒的に「引き戸」なんですよね。
この点はどのハウスメーカーでも、工務店でも大抵同じ部分です。
実に個性も無ければ窓の機能としても???です。
窓の機能はズバリ
外の景色が見えること
窓を開けることによって換気が出来ること
でしょう。

我が家やランタサルミログで標準採用されている窓です。
木製サッシでガラスはペアガラス、Low-Eガラスの4ミリ+4ミリで間に12ミリのアルゴンガス層です。
このスペックは九州ではまずお目にかかれない高断熱仕様です、そりゃまぁ-20-30度レベルの寒さに耐えられる仕様ですから、幾ら山間部は寒冷地といえど九州ではオーバースペックかもです。
ただ既製品なのでペアガラスの性能を落すなど特注した方が高くつく訳です。
ちなみにこの窓、築6年経過していますが、一度も結露したことありません。

フィンランド=ヨーロッパ文化なので窓の開閉は「内開き」です。
外開きの窓は「ケースメント」と呼ばれ、仲間に「滑り出しタイプ」などがあります。
内開き窓のメリットは
・掃除が楽(開けて拭くだけ)
・網戸が外付けなので開閉と干渉しない
・建具が雨に濡れない
などです。
内開きのデメリットは
・開けると邪魔になる事です。
・開けっ放しでは外出できない事(当然か)
外開き窓のメリットは
・開けると全開放出来邪魔にならない。
位で
デメリットは
・構造上外側のガラスは外からでないと拭けない、二階の窓など事実上掃除できない。特に大型窓。
・全開放するとドアノブが外に行くので閉めるのが大変
(だからマーヴィンなどは回転レバーで開閉するシステムだったりする)
・外へ開くので網戸は内側取り付けとなり、開閉の度に網戸も開閉が必要
ゆえに回転レパー式が多いが、窓を閉めても網戸にしがみ付いた虫を室内側でサンドイッチした格好になってしまう。
・木製建具で外開きは、雨等で建具を濡らして変形や劣化を招きやすい。
・やはり開けっ放しでは外出できない
などです。

で我が家やランタサルミで標準採用の窓は、木製内開きを更に進歩させた
ドレーキップ窓です
ドレーキップとは、内開き&内倒しの両方が出来る窓です。
内開きのメリットは享受してデメリットを消し
内倒し窓(ハング窓)のメリットを取り入れたダブルアクションの窓です。

ドレーキップで内倒し状態にした窓です。
内倒し状態では縦に開いているので邪魔になりません。
そして物理的にこれ以上倒れないので、このまま外出も出来ます。
故に我が家では夏場はずっと開けっ放しになっている事が多いです。
風も直接室内に入ってくる訳ではなく、一度ガラスにあたって上と横の隙間から入ってくるので風で室内のものがバタバタという事も少ないです。
更に深い軒と窓の下部は余り開いていないので
雨が降っていてもまず入ってこない
つまり雨が降っていても窓は開いている、という事が可能になります。
ただ湿気は入ってきますけどね。
実際、この窓は縦開きで使用することがほとんどで、余程の急速換気が必要な時と、掃除の際位しか横開きでは使用しません。

縦開きで開いた状態です。よく見ると上部が開いているのが分かると思います。
窓を開けていても、ガラスの反射で外から中は丸見えにならない、というメリットもございます。
そして防犯ですが
日本のサッシのようなロックが別に付いているシステムではなく、開閉システムとロックが一体化されていて複数ポイントでロックされる為「カギ一箇所を壊せば開けられる」というシステムではありません。
そしてデザインの為に格子を付けているのですが、これも防犯に一役買っています。
この窓を外から破ろうとすれば
網戸を破る
格子を壊す、又は外す
4ミリX2枚のガラスを破る
ここまでしないと室内に入る事ができません。
一般の窓は
窓センターのカギの部分近くのガラスを丸く切れば、容易に開けられ侵入できます。
防犯上も強い窓です、そして族の心理からしても「破り方の分からない窓からは侵入しない」ですね。
我が家で脆弱なのは風呂場の窓です、これは一般的な樹脂サッシの縦スベリ出窓です。
だからこの窓の近くに犬を繋いであります。
木製サッシの最大のメリットは、窓のフレームなどでも結露しません。
アルミサッシはフレームの結露が問題になり、解決の為に樹脂サッシも普及しつつありますが、いかんせんフレームの断熱性能が低いのでペアガラス等で熱欠損を抑えても、フレームそのものから熱欠損を起こしてしまいます。そもそもフレーム内部は中空ですからね。
そして木を削って組み立てているだけなのでライフサイクルにおける環境負荷はアルミサッシなどに比べて断然低いのです。
最近の日本の住宅のトレンドは高気密高断熱です。
これは北欧や北米で進化したツーバイフォー住宅の「断熱の考え方」です。これを日本の在来工法とミックスしている訳ですが、最大の落とし穴は
気密第一の高気密で、引き違い窓では気密化に限界がある
という事です。最近はサッシメーカーさんもある程度気密化できる引き戸を開発しているようですが、構造上無理があります。使っているウチにやがて性能は低下してしまうでしょう。
日本より寒いヨーロッパの国々ですが、窓は木製ってところは実に多いです、逆にアルミサッシだらけの日本の家みたいな建物は、海外ではほとんどお目にかかることはできません。
ちなみにCMの某HMが採用しているのは、チルトターンとかトップターンと呼ばれる水平方向で回転したり、窓の下部が外へせり出す方式の窓ですね。これはケースメントと同じく、網戸施工の問題と、開放したまま外出できないところはそのままです。
それとフレームに組み合わせるガラスについてです。
一部のメーカーではトリプルガラスで差別化を計っているようですが、-30度以下になる地域ならともかく、日本でトリプルガラスの断熱性能って完全にオーバースペックです。
というのも、フィンランドやスウェーデンでさえガラスのタイプは地域で使い分けて居るからです。
だから我々も追加予算を頂ければ
オールトリプルガラスの超高断熱ドレーキップ窓やチルトターン窓など様々なカスタマイズ仕様でお届けすることは容易に可能です。
但し、もし割れてしまった場合、国内で似たようなトリプルガラスを調達すると「とんでもなく高い」という事を肝に銘じておいて下さいね。ペアガラスとて日本のガラスはヨーロッパに比べて高いですから。
この木製DK窓、日本でも受注生産しているメーカーがあります。
価格はかなり高価です。
これらの窓はヨーロッパでは量産普及品なので、ログキットと一緒に輸入することで市販品より随分と安く入手することが出来ます。
我々のログハウスの価格が国産ログや他社ログに比べて高く見えるのは「よい建具」を標準採用しているからです。国産ログのようなアルミサッシを全採用すれば、我が家では100万円以上値段は安くなったでしょうね。
でもそれでは我々が作る家として、バランスが全く取れていない建物になってしまいます。
高性能なログハウスには、高性能な窓やドアなどの建具が必要です。
タグ :ログハウス